土地を売ると、売却代金のうちどれくらいが税金で引かれるのか。手元に残る金額が読めないままでは、売却価格の希望も、売ったあとの資金計画も立てにくいものです。「売った金額の2割が税金になる」と聞いて不安になった方もいるかもしれません。
実際には、土地売却でかかる税金の大部分は、売却代金ではなく売却で出た利益に対して計算されます。不動産の売却相談を受けてきた立場から言えるのは、税額を左右するのは売却価格よりも、購入時の資料が残っているか、使える特例があるかの2点だということです。
本記事では、土地売却でかかる税金の種類から、計算方法、支払う時期、特例、見落としやすい費用まで、尼崎市・伊丹市で不動産の売却を支援するStellaの視点で順を追ってお伝えします。
土地売却でかかる税金の全体像
土地売却でかかる税金は、印紙税、登録免許税、譲渡所得税の3種類です。このうち印紙税と登録免許税は売却の手続きに伴ってかかり、譲渡所得税は利益が出たときだけかかります。
| 税金 | かかる場面 | 支払う時期 | 金額の目安 |
|---|---|---|---|
| 印紙税 | 売買契約書を作成するとき | 売買契約時 | 契約金額に応じて数千円〜数万円 |
| 登録免許税 | 抵当権の抹消や住所変更の登記をするとき | 決済・引き渡し時 | 不動産1個につき1,000円 |
| 譲渡所得税(所得税・復興特別所得税・住民税) | 売却で利益が出たとき | 売却した翌年 | 利益の20.315%または39.63% |
金額が大きくなりやすいのは譲渡所得税です。土地売却の税金を考えるときは、まず「利益が出るのか、出るならいくらか」を確かめることが出発点になります。
売買契約時にかかる印紙税
印紙税は、売買契約書に収入印紙を貼って納める税金です。税額は契約書に記載された金額で決まり、2027年3月31日までに作成される不動産売買契約書には軽減税率が適用されます。
| 契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
|---|---|---|
| 100万円超 500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
| 500万円超 1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
| 1,000万円超 5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
| 5,000万円超 1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
契約書は売主用と買主用の2通を作成し、それぞれが自分の保管分の印紙代を負担するのが一般的です。電子契約で締結した場合は、紙の契約書を作成しないため印紙税はかかりません。
引き渡し時にかかる登録免許税
登録免許税は、登記の手続きをするときに納める税金です。土地の売却では、買主へ名義を移す所有権移転登記の費用は買主が負担するのが一般的で、売主が負担するのは次のような登記です。
- 抵当権抹消登記:住宅ローンなどの担保が土地に残っている場合。不動産1個につき1,000円
- 住所・氏名の変更登記:登記簿上の住所や氏名が現在と異なる場合。不動産1個につき1,000円
- 相続登記:亡くなった方の名義のままになっている場合。固定資産税評価額の0.4%
土地が複数の筆(登記上の区画)に分かれていると、筆の数だけ登録免許税がかかります。司法書士に依頼する場合は別途報酬が必要で、金額は依頼先や登記の内容によって異なります。
売却益にかかる譲渡所得税の計算方法
譲渡所得税は、土地を売って得た利益(譲渡所得)にかかる所得税・復興特別所得税・住民税の総称です。給与などの所得とは切り分けて税額を計算する仕組みで、これを分離課税といいます。
譲渡所得の計算式
譲渡所得は、売却価格から「買ったときの費用」と「売るための費用」を差し引いて求めます。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額
税額 = 譲渡所得 × 税率
計算結果がゼロまたはマイナスであれば、譲渡所得税はかかりません。購入したときより安く売った場合や、特別控除で利益が全額差し引かれる場合が該当します。
取得費と譲渡費用に含められるもの
取得費と譲渡費用にもれなく計上できるかどうかで、税額は変わります。それぞれに含められる主な費用は次のとおりです。
| 区分 | 含められる主な費用 |
|---|---|
| 取得費 | 土地の購入代金、購入時の仲介手数料、購入時の印紙税・登録免許税・不動産取得税、購入時の測量費や造成費 |
| 譲渡費用 | 売却時の仲介手数料、売買契約書の印紙税、売却のために行った測量費、売却のための建物解体費、借家人への立退料 |
固定資産税や、保有中の草刈り・管理の費用は譲渡費用に含められません。抵当権抹消の費用も対象外です。領収書は売却が終わるまで、できれば申告が済むまで保管してください。
所有期間で変わる税率
税率は、土地を所有していた期間が5年を超えるかどうかで2倍近く変わります。
| 区分 | 所有期間 | 所得税(復興特別所得税を含む) | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 15.315% | 5% | 20.315% |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 30.63% | 9% | 39.63% |
見落とされがちなのが、所有期間を数える基準日です。所有期間は売却した日ではなく、売却した年の1月1日時点で判定します。たとえば2021年6月に購入した土地を2026年8月に売ると、実際の保有は5年を超えていますが、2026年1月1日時点では5年以下のため短期譲渡所得になります。この土地が長期の扱いになるのは、2027年1月1日以降の売却です。
相続や贈与で取得した土地は、亡くなった方や贈与した方が取得した時期を引き継ぎます。親が長年所有していた土地であれば、相続してすぐに売っても長期譲渡所得として扱われます。
取得費が分からない場合
先祖代々の土地や、購入時の契約書が見つからない土地は、売却価格の5%を取得費とみなす「概算取得費」で計算できます。実際の取得費が売却価格の5%より少ない場合も、5%で計算して差し支えありません。
概算取得費では売却価格の95%近くが利益として扱われるため、税額は大きくなります。契約書がなくても、購入時の領収書、ローンの借入資料、通帳の記録などで取得費を説明できる場合があります。認められる資料の範囲は個別の判断になるため、税理士や税務署に相談してください。
土地売却でかかる税金のシミュレーション
土地を2,000万円で売却し、譲渡費用が80万円かかったと仮定して、条件の違う3つのケースで税額を比べます。特例は使わない前提です。
| ケース | 取得費 | 譲渡所得 | 税率 | 譲渡所得税の目安 |
|---|---|---|---|---|
| A:所有期間5年超、取得費800万円 | 800万円 | 1,120万円 | 20.315% | 約228万円 |
| B:所有期間5年以下、取得費800万円 | 800万円 | 1,120万円 | 39.63% | 約444万円 |
| C:所有期間5年超、取得費不明 | 100万円(売却価格の5%) | 1,820万円 | 20.315% | 約370万円 |
AとBを比べると、所有期間の違いだけで税額に200万円以上の差が出ます。AとCの差は約142万円で、購入時の資料が残っているかどうかの違いです。
このほかに、2,000万円の契約であれば印紙税が1万円、抵当権が残っていれば抹消の登録免許税が1筆あたり1,000円かかります。上記は仕組みを示すための単純な試算で、実際の税額は個別の条件によって異なります。
土地売却の税金を支払う時期
土地売却の税金は、契約時、引き渡し時、翌年の3回に分かれて発生します。金額の大きい譲渡所得税は売却の翌年に納めるため、売却代金を使い切らないよう注意が必要です。
- 売買契約時:印紙税。契約書に収入印紙を貼って納めます。
- 決済・引き渡し時:登録免許税。司法書士に登記を依頼する場合は、報酬とあわせて支払います。
- 翌年2月16日〜3月15日:所得税・復興特別所得税。確定申告を行い、申告期限までに納めます。
- 翌年6月以降:住民税。確定申告の内容をもとに市区町村が計算し、納税通知書が届きます。年4回に分けて納めるか、給与から差し引かれます。
たとえば2026年10月に土地を引き渡した場合、所得税の申告と納付は2027年2月16日から3月15日、住民税の納付は2027年6月以降です。なお、売却による所得が増えると、翌年度の国民健康保険料や介護保険料、後期高齢者医療の保険料が上がることがあります。保険料の計算方法は加入している制度や自治体によって異なるため、お住まいの市区町村で確認してください。
土地売却の税金を抑えられる特例・控除
土地売却の譲渡所得税には、条件を満たすと利益から一定額を差し引ける特別控除や、税率が下がる特例があります。土地の売却に関係する主なものを整理します。
| 特例 | 内容 | 対象になる主な場面 |
|---|---|---|
| マイホームを売ったときの3,000万円特別控除 | 譲渡所得から最高3,000万円を控除 | 自宅とその敷地、または自宅を解体したあとの敷地を売った |
| 10年超所有の軽減税率の特例 | 譲渡所得6,000万円以下の部分の税率が14.21%に | 所有期間10年超の自宅とその敷地を売った |
| 相続した空き家を売ったときの3,000万円特別控除 | 譲渡所得から最高3,000万円を控除 | 亡くなった方が一人で住んでいた家の敷地を売った |
| 相続税の取得費加算の特例 | 納めた相続税の一部を取得費に加算 | 相続税を納めた土地を、相続開始から3年10か月以内に売った |
| 公共事業などのために売ったときの5,000万円特別控除 | 譲渡所得から最高5,000万円を控除 | 道路の拡幅などで土地が収用された |
| 2009年・2010年に取得した土地の1,000万円特別控除 | 譲渡所得から最高1,000万円を控除 | 該当する年に取得した土地を売った |
自宅を解体して土地だけを売る場合の条件
マイホームの3,000万円特別控除は、家を取り壊して更地で売る場合にも使えます。ただし、次の条件をすべて満たす必要があります。
- 家を取り壊した日から1年以内に、土地の売買契約を結ぶこと
- 住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 取り壊してから売買契約までの間、その土地を貸駐車場などに使わないこと
解体後に月極駐車場として貸してしまい、特例が使えなくなるケースがあります。売却までの間の土地の使い方にも注意しましょう。
相続した土地を売る場合
相続した実家を解体して土地として売る場合、空き家特例の対象になることがあります。1981年5月31日以前に建築された家屋であること、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ2027年12月31日までの売却であること、売却代金が1億円以下であることなどが要件です。相続税を納めた方は取得費加算の特例も候補になりますが、空き家特例との併用はできません。
特例は、税額がゼロになる場合でも確定申告をしなければ適用されません。また、特例同士には併用できない組み合わせがあり、税制改正で要件や期限が変わることもあります。適用できるかどうかは、売却の前に税理士や税務署へ確認してください。
税金以外に確認しておきたい費用と注意点
手元に残る金額を見積もるには、税金以外の費用も合わせて考える必要があります。土地の売却で発生しやすい費用は次のとおりです。
- 仲介手数料:売却価格が400万円を超える場合、「売却価格×3%+6万円」に消費税を加えた額が上限
- 測量費:隣地との境界が確定していない場合に必要。土地の形状や隣接地の数により異なる
- 解体費:古家付きの土地を更地にして売る場合。建物の構造や規模により異なる
- 司法書士報酬:抵当権抹消などの登記を依頼する場合
土地そのものの売却代金には消費税はかかりませんが、仲介手数料や司法書士報酬には消費税がかかります。
固定資産税の精算金の扱い
固定資産税はその年の1月1日時点の所有者に1年分が課税されるため、引き渡し日以降の分を買主が売主へ支払って精算するのが一般的です。この精算金は税金そのものではなく売却代金の一部として扱われ、譲渡所得を計算するときの売却価格に含めます。
建物を解体する時期と固定資産税
住宅が建っている土地は、固定資産税が軽減されています。古家を解体して更地にした状態で1月1日を迎えると、その年から軽減が外れ、土地の固定資産税が上がります。解体してから売るのか、古家付きのまま売るのかは、売却の見通しとあわせて判断することが大切です。
尼崎市・伊丹市の土地売却はStellaにご相談ください
Stella 株式会社は、尼崎市・伊丹市を中心に不動産の買取・仲介・売買を行っている不動産会社です。土地の売却では、売却の時期やご希望の条件を伺ったうえで、時間をかけて価格を重視する仲介と、早期の売却を目指す買取の両方の選択肢をご案内しています。
古い家が建ったままの土地については、解体して更地で売るか、建物付きで売るかで、費用も税金の扱いも変わります。Stellaは親会社である株式会社小畑工務店と連携しており、建物の状態を踏まえて、修繕して活用する可能性も含めた相談ができます。買取の可否や条件は物件ごとに異なるため、現地を確認したうえでご案内します。
税額の計算や確定申告は税理士の業務となりますが、売却価格の目安や売却にかかる費用の見通しなど、手取り額を考えるための材料は不動産会社としてお伝えできます。必要に応じて専門家への相談もご案内します。
土地売却でかかる税金に関するよくある質問
土地を売っても利益が出なければ税金はかかりませんか?
譲渡所得がゼロまたはマイナスであれば、譲渡所得税はかかりません。ただし、印紙税と登録免許税は利益の有無にかかわらず必要です。また、取得費が分からず概算取得費で計算すると、実際には損をしていても利益が出た扱いになることがあります。
土地を売却したら確定申告は必要ですか?
譲渡所得がプラスになる場合は確定申告が必要です。特別控除を使って税額がゼロになる場合も、特例の適用には申告が求められます。譲渡所得がマイナスで特例も使わない場合は、原則として申告は不要です。
相続した土地を売る場合、税金の計算は変わりますか?
計算式は同じですが、取得費と所有期間は亡くなった方のものを引き継ぎます。相続した時点の評価額が取得費になるわけではありません。相続税を納めている場合は取得費加算の特例、実家の敷地であれば空き家特例が使える可能性があります。
共有名義の土地を売った場合、税金は誰が払いますか?
共有者それぞれが、自分の持分に応じた譲渡所得を計算し、各自で確定申告をして納めます。特別控除の要件を満たすかどうかも、共有者ごとに判定されます。
売却した年の固定資産税は誰が負担しますか?
納税義務があるのは、その年の1月1日時点の所有者である売主です。実務では、引き渡し日を境に日割りで計算し、買主の負担分を売買代金とは別に精算金として受け取るのが一般的です。精算の起算日は地域の慣行や契約内容によって異なります。
まとめ
土地売却でかかる税金は、印紙税、登録免許税、譲渡所得税の3種類です。金額が大きくなるのは譲渡所得税で、取得費が分かる資料の有無、所有期間が5年を超えるかどうか、使える特例があるかどうかで負担が変わります。
尼崎市・伊丹市で不動産の売却を支援してきたStellaとしてお伝えしたいのは、売り出す前に手取り額の見通しを立てておくことの大切さです。売却価格の目安と費用が分かれば、売る時期や方法も決めやすくなります。
Stella 株式会社へのご相談
土地の売却価格の目安や、古家を解体するかどうか、仲介と買取のどちらが合うかなど、状況を伺いながら一緒に整理します。まだ売ると決めていない段階でもお問い合わせいただけます。
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