実家じまいの進め方|手順と費用の目安、家族で決めておくこと

親が施設に入った、あるいは亡くなって、誰も住まなくなった実家をどうするか。片付けようと実家に戻ってみたものの、物の多さに手が止まり、そのまま季節が過ぎてしまったという話は珍しくありません。

実家じまいは、家財の片付けと、家そのものの行き先を決めることの2つから成ります。不動産の売却・買取の相談を受けてきた立場から言えるのは、片付けより先に「家をどうするか」を家族で決めた方ほど、作業も費用も無駄が少なくなるということです。

本記事では、実家じまいの進め方を、家族の話し合いから片付け、売却・解体・賃貸の選び方、各種手続きまで、尼崎市・伊丹市で不動産の売却を支援するStellaの視点で順を追ってお伝えします。

実家じまいとは

実家じまいとは、親が住んでいた家を整理し、家財を片付けたうえで、売却・解体・賃貸などの方法で家を手放すか活用することです。親が自分の住まいを整理する場合は「家じまい」と呼ばれることもあります。

実家じまいを考えはじめるきっかけは、主に次のような場面です。

  • 親が亡くなり、実家を相続した
  • 親が介護施設や高齢者向け住宅に入居した
  • 親が子どもの家の近くに住み替えることになった
  • 空き家の管理や固定資産税の負担が重くなってきた

親が元気なうちに進める場合と、相続のあとに進める場合では、決める人と必要な手続きが変わります。親が元気なうちであれば、家の名義は親のままで、売却の判断も親が行います。相続後は、相続人の間で話し合い、名義を変えてから進めることになります。

実家じまいの進め方と手順

実家じまいは、次の6つの段階で進めると、手戻りが少なくなります。

段階行うこと主な相談先
1家族で方針を話し合う家族・親族
2家の現状と権利関係を確認する不動産会社、法務局、市役所
3家の行き先(売却・解体・賃貸など)を決める不動産会社
4家財の仕分けと片付けを行う片付け・遺品整理の業者
5売却・解体などを実行する不動産会社、解体業者、司法書士
6各種契約の解約と届け出、税金の申告を行う各契約先、市役所、税務署

段階3の「家の行き先」を片付けの前に置いているのは、行き先によって片付けの範囲が変わるからです。家財が残ったままでも買い取りを検討できる場合や、解体業者が一部の家財を一緒に処分できる場合もあり、先にすべてを片付けると費用を二重にかけてしまうことがあります。

家族で方針を話し合う

最初に、実家を残すのか手放すのか、いつまでに結論を出すのかを家族で話し合います。親が健在なら親の意向を最優先にし、相続後であれば相続人全員で合意する必要があります。

話し合いで決めておきたいのは、家の行き先の方針、作業の役割分担、費用の負担割合、思い出の品の扱いです。遠方に住むきょうだいがいる場合は、決めたことを書面やメッセージで残し、全員が同じ情報を持つようにしておくと、あとの行き違いを防げます。

家の現状と権利関係を確認する

次に、実家の名義や状態を確認します。固定資産税の納税通知書や登記事項証明書で、土地と建物の名義、面積、住宅ローンの担保が残っていないかを確かめます。

名義が祖父母のままになっている、土地と建物で名義が違う、隣地との境界がはっきりしないといった事情は、売却に時間がかかる原因になります。相続で取得した場合は、2024年4月から義務化された相続登記も必要です。あわせて、敷地が建築基準法上の道路に接しているかも確認しておくと、建て替えができない土地かどうかが分かります。

家の行き先を決める

家の行き先は、売却、解体して土地として売却、賃貸、そのまま残すのいずれかです。それぞれの特徴は次の章で比べます。不動産会社に査定を依頼すれば、家の価格の目安が分かり、どの方法が現実的かを判断する材料になります。

家財の仕分けと片付けを行う

家財は「残す」「処分する」「保留」の3つに分けて進めます。保留の箱を用意しておくと、判断に迷う物で作業が止まりにくくなります。

とりわけ見落とされがちなのが、書類の確認です。家の権利証(登記識別情報)、購入時の売買契約書、リフォームの領収書、預金通帳、保険証券などは、売却や相続の手続きと税金の計算に必要になります。古い書類をまとめて処分する前に、中身を確かめてください。現金や貴金属が見つかった場合は、相続財産として扱う必要があります。

仏壇や神棚は、菩提寺などに相談して閉眼供養を行ってから処分や移動をするのが一般的です。

売却・解体などを実行する

方針に沿って、売買契約や解体工事を進めます。売却の場合は、買主への引き渡しまでに家財の撤去を終える条件になることが多いため、片付けの期限は売却のスケジュールに合わせて決めます。

各種契約の解約と届け出を行う

電気・ガス・水道・電話・インターネットの解約、郵便物の転送届、固定資産税の送付先の変更などを行います。水道は解約すると片付けや清掃に使えなくなるため、引き渡しの直前まで残しておくと作業がしやすくなります。売却で利益が出た場合は、売却した翌年に確定申告を行います。

親が元気なうちに実家じまいを進める場合

親が健在なうちに進める実家じまいは、親自身が家の行き先を決められる点で、相続後よりも選択肢が広がります。一方で、住み慣れた家を離れる親の気持ちへの配慮が欠かせません。

親の住まいの行き先を先に考える

親が今の家を出たあとにどこで暮らすのかが決まらなければ、実家じまいは進みません。子どもの家の近くの賃貸住宅、駅や病院に近いマンション、高齢者向け住宅や介護施設など、親の健康状態と暮らし方に合う住まいを先に検討します。実家の売却代金を新しい住まいの費用に充てる場合は、売却と転居の時期を合わせる必要があります。

家の名義と判断能力を確認しておく

実家の名義が親であれば、売買契約を結ぶのは親本人です。売却の手続きでは、本人の意思確認が行われます。親が高齢の場合は、判断能力が十分なうちに方針を決め、手続きを進めておくことが大切です。将来に備えて、家族信託や任意後見などの制度を検討する方もいますが、制度ごとに費用と手続きが異なるため、司法書士や弁護士に相談してください。

親が売った場合の税金の特例

親が自分で住んでいた家を売る場合は、マイホームの3,000万円特別控除の対象になることがあります。親が施設に入居して住まなくなった場合は、住まなくなった日から3年を経過する年の12月31日までに売る必要があります。親の売却で税金がかかるかどうかは、相続後に子どもが売る場合と条件が異なるため、売却時期を決める前に確認しておきましょう。

実家の行き先の選び方

実家の行き先は、建物の状態、立地、家族の今後の関わり方で選びます。主な選択肢を比べると、次のようになります。

選択肢向いている場面気を付ける点
建物付きで売却(仲介)建物がまだ使える、時間に余裕がある買主が見つかるまで期間が読みにくい
不動産会社に買取を依頼早く手放したい、建物の傷みが大きい仲介より価格が低くなる傾向がある
解体して土地として売却土地の需要が高い、建物の再利用が難しい解体費がかかり、更地にすると固定資産税が上がる
賃貸に出す立地が良く、将来家族が使う可能性がある修繕費や空室のリスクを所有者が負う
当面そのまま残す家族の意見がまとまらない管理の手間と税金がかかり続ける

迷ったときは、解体を急がないことをおすすめします。建物を取り壊すと、住宅用地の特例が外れて土地の固定資産税が上がり、建て替えができない土地であれば建物を建てられなくなります。建物付きのまま買いたい方や、リフォームを前提に探している方もいるため、査定で建物付きと更地の両方の見通しを確認してから決めても遅くありません。

実家じまいにかかる費用の目安

実家じまいの費用は、片付け、解体、売却、登記の4つに分けて考えます。金額は家の広さや家財の量、建物の構造によって大きく変わります。

費用内容目安と変動要因
片付け・家財処分業者への依頼費、粗大ごみの処分費一戸建てでは数十万円になることが多く、家財の量や搬出のしやすさで変わる
解体費建物の取り壊しと廃材の処分建物の構造・延べ面積・前面道路の幅・アスベストの有無で変わる
売却の諸費用仲介手数料、印紙税、測量費など仲介手数料は売却価格400万円超で「価格×3%+6万円」+消費税が上限
相続登記登録免許税、書類取得費、司法書士報酬登録免許税は固定資産税評価額の0.4%
譲渡所得税売却で利益が出た場合取得費や特例の有無で変わる

片付けを自分たちで進めれば業者費用は抑えられますが、遠方から何度も通う交通費や時間がかかります。業者に依頼する場合は、複数社から見積もりを取り、作業範囲と追加料金の条件を確認しましょう。

費用は誰が負担するか

親が健在であれば、親の資金から支払うのが基本です。相続後は、相続人が相続分に応じて負担するか、売却代金から精算する方法がよく取られます。誰かが立て替える場合は、領収書を残し、売却代金から差し引くことを事前に合意しておくと、清算のときにもめにくくなります。

手元のお金が足りない場合

片付けや解体の費用をすぐに用意できない場合は、家財が残ったままや建物付きのままで売却・買取を相談する方法があります。費用を売却代金から支払える形にすれば、先にまとまった資金を用意する必要がなくなります。条件は物件や買主によって異なるため、相談の段階で確認しましょう。

実家の片付けを進めるコツ

実家じまいの作業で最も時間がかかるのが、家財の片付けです。何十年分もの物が残る一戸建てでは、家族だけで進めると数か月かかることもあります。作業を止めないために、次の点を意識しておくと進めやすくなります。

片付ける順番を決めておく

片付けは、判断に迷いにくい場所から始めると進みやすくなります。物置や納戸、使っていない部屋の明らかな不用品から手を付け、写真や手紙など思い出の品が多い場所は最後に回します。最初に思い出の品に手を付けると、一つひとつに時間がかかり、作業全体が止まってしまいがちです。

あわせて、ごみの出し方も確認しておきます。粗大ごみの回収は事前の申し込みが必要で、一度に出せる量が決まっている自治体もあります。家具や家電を大量に処分する場合は、自治体の回収だけでは間に合わないことがあるため、業者への依頼も視野に入れておきましょう。

業者に依頼する範囲を決める

片付けの業者には、家財の仕分けから搬出、清掃まで一括で依頼する方法と、大型家具の搬出など一部だけを依頼する方法があります。貴重品や残しておきたい物を家族で先に取り出しておき、残りを業者に任せると、費用と家族の負担のバランスを取りやすくなります。

見積もりでは、作業の範囲、追加料金がかかる条件、家電リサイクル法の対象となるテレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンの扱いを確認します。買い取れる家具や骨董品がある場合は、処分費から差し引いてもらえることもあります。

遠方に住んでいる場合の進め方

実家から離れて暮らしている場合は、帰省のたびに少しずつ片付けるより、作業の段取りを決めてからまとまった日数で進めるほうが、交通費と時間を抑えられます。帰省の前に、不動産会社に査定を依頼して家の行き先の見通しを立て、片付けの範囲を決めておくと、限られた日数で優先すべき作業がはっきりします。

家族が現地に立ち会えない日でも、鍵の受け渡しや作業の確認を代わりに行ってもらえるかは、依頼先ごとに確認しておきましょう。

実家じまいで使える特例と制度

実家じまいの費用や税金の負担を軽くする制度もあります。主なものを確認しておきましょう。

  • 相続空き家の3,000万円特別控除:亡くなった方が一人で住んでいた家を売った場合に、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける
  • マイホームの3,000万円特別控除:親が自分で住んでいた家を売る場合、住まなくなった日から3年を経過する年の12月31日までの売却が条件
  • 自治体の空き家に関する補助制度:老朽化した空き家の解体などに補助を設けている自治体がある
  • 相続土地国庫帰属制度:一定の要件を満たす相続した土地を、負担金を納めて国に引き取ってもらう制度。建物がある土地は対象外

相続空き家の特例には、1981年5月31日以前に建築された家屋であること、相続開始から3年を経過する年の12月31日まで、かつ2027年12月31日までに売ることなどの要件があります。親が施設に入居したあとに亡くなった場合も、要件を満たせば対象になることがあります。補助制度は内容や受付期間が自治体ごとに異なり、工事前の申請が必要なものが多いため、解体を決める前に市役所へ確認してください。

実家じまいを後回しにするリスク

実家じまいは気持ちの整理も伴うため、つい先延ばしになりがちです。ただ、後回しにするほど負担は増えていきます。

人が住まない家は、換気や通水がされないことで傷みが早く進みます。固定資産税は毎年かかり、草木の手入れや見回りの手間も続きます。管理が行き届かず、自治体から管理不全空家や特定空家として勧告を受けると、土地の固定資産税の軽減措置が外れることがあります。

親が健在の場合、認知症などで判断能力が十分でなくなると、本人の意思で売買契約を結ぶことが難しくなり、成年後見制度を利用しなければ売却できなくなることがあります。親の意向を確かめられるうちに方針を話し合っておくことが、家族の負担を減らすことにつながります。

ポイント
売るかどうか決めきれない場合も、「いつまでに決めるか」という期限だけは家族で決めておきましょう。期限があれば、査定や片付けをいつ始めればよいかが見えてきます。

実家じまいで避けたい進め方

実家じまいでつまずきやすいのは、家族の合意と作業の順番です。相談の現場で見かける、避けたい進め方を3つ挙げます。

家族の一部だけで進めてしまう

近くに住む一人が片付けや売却を進め、ほかのきょうだいが知らないまま話が進むと、思い出の品の処分や売却価格をめぐって行き違いが起きます。相続後であれば、相続人全員の合意がなければ売却はできません。

行き先を決める前にすべて片付ける

すべての家財を処分してから査定を受けると、家財付きで買い取りを検討できた場合に、片付け費用を余分にかけたことになります。片付けの範囲は、行き先を決めてから判断しましょう。

書類を確認せずに処分する

購入時の売買契約書やリフォームの領収書を処分すると、売却時の税金の計算で取得費を証明できず、税額が大きくなることがあります。紙の書類は、すべて中身を確認してから処分してください。

尼崎市・伊丹市の実家じまいはStellaにご相談ください

Stella 株式会社は、尼崎市・伊丹市を中心に不動産の買取・仲介・売買を行っている不動産会社です。実家じまいでは、ご家族の事情や希望する時期を伺ったうえで、建物付きでの売却、買取、解体を含めた選択肢をご案内しています。

Stellaは親会社である株式会社小畑工務店と連携しており、古い家や傷んだ家についても、修繕して販売することを前提に買取を検討できます。家財が残っている状態や、まだ売ると決めていない段階でもご相談いただけます。実際に買い取れるかどうかや条件は、現地を確認したうえで物件ごとにご案内します。

実家を売却して、親御さんやご自身の住み替え先を探す場合には、物件探しから購入後の住まいのメンテナンスまで一緒に考えることができます。相続登記や税金の申告は、司法書士や税理士の業務となるため、必要に応じて専門家への相談もご案内します。

実家じまいに関するよくある質問

実家じまいにはどれくらいの期間がかかりますか?

家族の話し合いがまとまっていれば、片付けから売却まで数か月から1年程度で進むことが多いですが、家財の量、相続人の人数、売却方法によって大きく変わります。買取を選ぶと、売却までの期間の見通しは立てやすくなります。

家財が残ったままでも売却や査定の相談はできますか?

査定は家財が残ったままでも受けられます。売却の場合は、引き渡しまでに家財を撤去する条件が一般的ですが、買取では家財が残った状態で検討できる場合もあります。どこまで片付けるかは、相談の際に確認しましょう。

親が反対している場合はどう進めればよいですか?

親が健在で家の所有者である場合、売却を決めるのは親です。すぐに売却を勧めるのではなく、管理の負担や将来の住まいについての考えを聞き、親が納得できる時期や方法を一緒に探すことが大切です。片付けだけを先に進める、まずは査定で価格を知るといった段階的な進め方もあります。

相続放棄をすれば実家じまいをしなくてよいですか?

相続放棄をすると実家を相続しないため、売却などの手続きは行いません。ただし、相続放棄は預貯金などを含むすべての財産を放棄することになり、家庭裁判所での手続きと期限があります。放棄後も、実家を現に管理している場合は、次に管理する人に引き渡すまで保存の義務が残ることがあります。判断の前に弁護士や司法書士に相談してください。

まとめ

実家じまいは、家族で方針を話し合い、家の現状を確認し、家の行き先を決めてから片付けに進むと、費用と手間の無駄を抑えられます。解体は急がず、建物付きでの売却や買取も含めて比べることが大切です。

尼崎市・伊丹市で不動産の売却を支援してきたStellaとしてお伝えしたいのは、決めきれない段階でも家の価格の目安を知っておくことの意味です。家の行き先の見通しが立てば、片付けや費用の段取りも具体的に考えられるようになります。

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実家の売却や買取、片付けの前に何を決めればよいかなど、ご家族の状況を伺いながら一緒に整理します。まだ方針が決まっていない段階でもお問い合わせいただけます。

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