土地の確定測量の費用相場|官民・民民の違いと費用を抑える方法

「測量なんて、業者に頼めば数週間で終わるもの」。土地を売ると決めてから、不動産会社に確定測量が必要だと言われ、費用と期間に驚く方は多いはずです。測量と聞くと、敷地を機械で測るだけの作業を思い浮かべるからでしょう。

しかし、尼崎市・伊丹市で土地や戸建ての売却を支援してきたStellaの立場から言えるのは、確定測量の費用と期間を左右するのは、測る作業ではなく、隣地の所有者や役所と境界を確認する手続きだ、ということです。隣地の数や所有者の事情によって、費用は数十万円単位で、期間は数か月単位で変わります。

本記事では、土地の確定測量の費用相場を、測量の種類の違いから、費用が変わる要因、期間と流れ、売却時に誰が払うか、費用を抑える方法、境界が決まらない場合の対処まで、不動産の売却を扱う不動産会社の視点で順を追ってお伝えします。

確定測量と現況測量の違い

確定測量は、隣接するすべての土地の所有者と境界を確認し、合意した境界をもとに土地の面積を確定させる測量です。現況測量は、塀やブロックなど今ある目印をもとに、おおよその形と面積を測る測量で、隣地の立ち会いは行いません。

測量の種類内容主な用途
現況測量今ある塀や境界標をもとに面積と形を測る建て替えの計画、土地の広さの目安を知る
確定測量隣地所有者や役所と境界を確認し、面積を確定する土地の売却、分筆、相続で土地を分ける
地積測量図の作成と登記確定測量の結果を法務局に登記する分筆登記、地積更正登記

確定測量では、隣地との境界を民有地同士で確認する民民の立ち会いと、道路や水路など国や市区町村の土地との境界を確認する官民の立ち会いを行います。官民の境界を確認する手続きを、官民査定や官民境界確定協議と呼びます。全員の合意が取れると、境界確認書を取り交わし、境界標を設置して確定測量図を作成します。

土地の確定測量の費用相場

土地の確定測量の費用相場は、官民査定が必要かどうかで大きく分かれます。一般的な広さの住宅地の場合の目安は、次のとおりです。

測量の内容費用の目安期間の目安
現況測量10万〜30万円程度数週間程度
確定測量(民民のみ)35万〜50万円程度2〜3か月程度
確定測量(官民査定あり)60万〜80万円程度3〜6か月程度

費用の目安は土地家屋調査士の報酬と実費を合わせた額で、隣地の数が多い土地や、境界の資料が古い土地では、ここから大きく上がることがあります。土地家屋調査士の報酬は自由に設定されているため、正確な金額は現地と資料を確認したうえでの見積もりで決まります。

確定測量の結果をもとに分筆登記や地積更正登記をする場合は、登記の申請の報酬と登録免許税が加わります。分筆登記の登録免許税は分筆後の土地1筆につき1,000円、地積更正登記は土地1個につき1,000円です。

確定測量の費用が変わる5つの要因

確定測量の費用は、次の5つの要因で変わります。どれも、境界の確認にかかる手間の多さに関わるものです。

隣接する土地の数

隣接する土地の数が多いほど、立ち会いと書類の取り交わしの相手が増え、費用が上がります。四方を住宅に囲まれた土地と、角地で道路に2面接する土地とでは、確認する相手の数が違います。旗竿地のように細い通路で道路につながる土地は、通路の両側にも隣地があるため、隣接する土地が多くなりやすくなります。

土地の面積と形

土地の面積が広いほど、測る点の数が増えて作業量が増えます。境界が折れ曲がっている、高低差があってがけや擁壁がある、といった土地は、測量の手間がかかり、費用が上がります。

官民境界の有無

道路や水路に接する土地で、官民の境界が確定していない場合は、市区町村などとの官民査定が必要になります。役所との協議や申請の書類が増え、立ち会いの日程も役所の都合に合わせるため、費用と期間の両方が増えます。以前に官民査定を済ませた記録が役所に残っていれば、その資料を使えるため、費用を抑えられることがあります。

隣地所有者の状況

隣地の所有者が遠方に住んでいる、相続登記がされておらず相続人が複数いる、連絡先がわからないといった場合は、所有者を調べて連絡を取る手間が増えます。隣地が共有名義なら、共有者全員の確認が必要です。所有者と境界の位置について意見が合わない場合は、話し合いを重ねるほど期間が延び、費用も上がります。

境界の資料の有無

法務局に地積測量図があるか、境界標が残っているかで、調査の手間は大きく変わります。座標の記録がある比較的新しい地積測量図があれば、境界の位置を復元しやすくなります。古い図面しかない土地や、境界標が工事でなくなっている土地は、過去の資料をさかのぼって調べる必要があり、費用が上がります。

確定測量の流れと期間

確定測量は、依頼から確定測量図の完成まで、民民のみで2〜3か月、官民査定を含むと3〜6か月ほどかかるのが一般的です。流れは次のとおりです。

  1. 依頼と見積もり:土地家屋調査士に、登記簿や公図などの資料をもとに見積もりを依頼します。
  2. 資料調査:法務局の地積測量図や公図、役所の道路台帳や過去の官民査定の記録を集めます。
  3. 現地調査と仮測量:境界標や塀の位置を測り、資料と照らし合わせて境界の候補を出します。
  4. 官民査定:道路や水路の管理者に申請し、役所の担当者と境界を確認します。
  5. 隣地所有者との立ち会い:隣地の所有者に現地で境界の位置を確認してもらいます。
  6. 境界確認書の取り交わしと境界標の設置:合意した境界について書面を取り交わし、境界標を設置します。
  7. 確定測量図の作成:確定した境界と面積を図面にまとめます。必要に応じて地積更正登記や分筆登記を申請します。

期間を最も左右するのは、手順の4と5です。役所の官民査定は申請から立ち会いまで1か月以上かかることがあり、隣地の所有者と連絡が取れない場合は、手順の5で数か月止まることもあります。

売却を決めたら早めに着手する
確定測量は、売買の契約から引き渡しまでの間に終わらせる約束をすることが多く、終わらなければ引き渡しが遅れます。
土地や戸建ての売却を考えはじめたら、査定と同じ時期に、境界標の有無と地積測量図の有無を確かめておきましょう。

確定測量が必要なケースと不要なケース

確定測量が必要かどうかは、土地を売るか、分けるか、建物を建てるかといった目的で決まります。

  • 土地や戸建てを売却する:買主や金融機関から境界の明示を求められることが多い
  • 土地を分筆して一部を売る、相続人で分ける:分筆登記に確定測量が必要
  • 実際の面積で売買代金を決める実測売買をする:面積を確定させるために必要
  • 隣地との境界でもめている、塀や建物が越境している可能性がある:境界を確定させて解決する

一方で、すでに確定測量図があり境界標も残っている土地や、買主が登記簿の面積で取引する公簿売買に合意した土地では、改めて確定測量をしないこともあります。マンションの売却では、敷地全体を管理組合が管理しているため、区分所有者が個別に確定測量をすることは通常ありません。

古い確定測量図がある場合も、境界標がなくなっていたり、隣地の所有者が替わっていたりすると、買主から改めて確認を求められることがあります。

確定測量の費用は誰が払うか

土地の売却で行う確定測量の費用は、売主が払うのが一般的です。売主には、売る土地の境界を買主に示す役割があり、売買契約で「売主は引き渡しまでに確定測量図を交付する」と取り決めることが多いためです。

費用の分担は売買契約の条件として話し合えるため、買主と折半する、測量費を考慮して売買価格を調整するといった形をとることもあります。不動産会社が買主になる買取では、測量を売主が行わずに引き渡せる条件で取引できる場合もあります。測量の負担を誰がどう持つかは、売り出す前に不動産会社と確認しておくと、価格の交渉がしやすくなります。

確定測量の費用は、土地を売るための費用として、譲渡所得の計算で譲渡費用に含められます。領収書は確定申告まで保管しておきましょう。

確定測量の費用を抑える方法

確定測量の費用は、手間を減らすことと、依頼の仕方を工夫することで抑えられます。

  • 既存の資料を集めておく:地積測量図、過去の境界確認書、購入時の測量図があれば土地家屋調査士に渡す
  • 複数の土地家屋調査士に見積もりを取る:作業の範囲と追加費用の条件をそろえて比べる
  • 登記をまとめて依頼する:分筆や地積更正の登記も必要なら、測量と一緒に同じ事務所に任せる
  • 時間に余裕を持って始める:急ぎの対応による追加の費用や、日程の調整による手戻りを避ける

とりわけ見落とされがちなのが、隣地の所有者との関係が、費用と期間の両方に影響する点です。日ごろから挨拶をしている、過去に塀の工事で話し合ったことがあるといった関係があれば、立ち会いの依頼がスムーズに進みやすくなります。逆に、境界の話を突然持ちかけると警戒されることもあるため、依頼の前に事情を伝えておくとよいでしょう。

隣地所有者と境界が決まらない場合の対処

隣地の所有者と境界の位置で合意できない場合や、立ち会いに応じてもらえない場合は、話し合い以外の方法で境界を明らかにします。

方法内容特徴
筆界特定制度法務局の筆界特定登記官が、登記上の境界(筆界)の位置を特定する隣地の合意がなくても申請でき、裁判より負担が軽い
境界問題相談センター(ADR)土地家屋調査士と弁護士が話し合いを仲介する所有権の範囲を含めて、合意による解決を目指す
境界確定訴訟裁判所が判決で境界を確定する最終的な解決手段だが、時間と費用がかかる

筆界特定制度は、登記上の境界を明らかにする手続きで、所有権の範囲そのものを決めるものではありません。筆界特定には、申請手数料と、測量が必要な場合の測量費がかかり、結論までに半年から1年ほどかかることもあります。売却のスケジュールに影響するため、境界でもめる可能性がある土地は、早めに不動産会社と土地家屋調査士に相談しましょう。

尼崎市・伊丹市の土地の売却はStellaにご相談ください

Stella 株式会社は、尼崎市・伊丹市を中心に不動産の買取・仲介・売買を行っている不動産会社です。土地や戸建ての売却では、査定の段階で境界標や測量図の有無を確認し、確定測量が必要か、売却の時期にどう影響するかをあわせてご説明しています。

測量の費用や期間の負担が気になる場合は、仲介で売る方法と、買取で売る方法の違いもご案内します。測量の取り扱いを含めた買取の可否や条件は、物件ごとに確認のうえご案内します。確定測量や登記の手続きは、土地家屋調査士への相談もご案内します。

古い家が建ったままの土地では、親会社の株式会社小畑工務店と連携し、建物を残して売るか、手を入れるかも含めて検討できます。

境界がはっきりしない、測量図が見当たらないといった土地の売却も、測量の要否と売り方を一緒に確認します。

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土地の確定測量の費用に関するよくある質問

確定測量の費用は経費や譲渡費用にできる?

確定測量の費用は、土地を売るために行ったものであれば、譲渡所得の計算で譲渡費用として差し引けます。売却のためではなく、建て替えなど自分で使うために行った測量は、譲渡費用には含まれません。

確定測量の見積もりは無料?

確定測量の見積もりは、資料をもとにした概算であれば無料で出している土地家屋調査士事務所が多くあります。現地の調査を伴う詳しい見積もりは、事務所によって扱いが違うため、依頼の前に確認しましょう。

隣地の所有者が立ち会いを拒否したらどうなる?

隣地の所有者が立ち会いを拒否すると、その境界について合意ができず、確定測量を完了できません。その場合は、法務局の筆界特定制度を使えば、隣地の合意がなくても登記上の境界を特定できます。売却を急ぐ場合は、境界が確定していない状態でも取引できる買取を検討する方法もあります。

確定測量をしないで土地を売ることはできる?

確定測量をしないで土地を売ることはできます。買主が合意すれば、登記簿の面積で取引する公簿売買も可能です。ただし、境界があいまいなままでは買主の住宅ローンの審査に影響したり、価格の交渉で不利になったりすることがあります。

まとめ|確定測量の費用は境界の確認の手間で決まる

土地の確定測量の費用相場は、民民の境界だけを確認する場合で35万〜50万円程度、官民査定を含む場合で60万〜80万円程度です。費用と期間は、隣接する土地の数、官民境界の有無、隣地所有者の状況、境界の資料の有無によって大きく変わります。

尼崎市・伊丹市で土地の売却を支援してきたStellaとしてお伝えしたいのは、確定測量は売ると決めた時点で着手の準備を始めることの大切さです。境界標と測量図の有無を早めに確かめ、測量の負担を含めて売り方を決めておけば、引き渡しの時期が読めない事態を避けられます。

Stella 株式会社へのご相談

確定測量が必要かどうか、測量の期間を踏まえた売却のスケジュール、仲介と買取の違いなど、状況を伺いながら一緒に整理します。まだ売るかどうかを決めていない段階でもお問い合わせいただけます。

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