相続した不動産の査定|評価額との違いと依頼の流れ・注意点

「相続税の申告で評価額を出したから、実家の価値はもうわかっている」。親から家や土地を相続すると、相続税の計算に使った路線価や固定資産税評価額を、そのまま不動産の価値だと考える方は多いはずです。税理士や役所の書類に金額が書かれていると、それが正式な価格に見えるからでしょう。

しかし、尼崎市・伊丹市で相続した不動産の売却の相談を受けてきたStellaの立場から言えるのは、税金の計算に使う評価額と、実際に売れる価格は別のものだ、ということです。相続人の間で公平に分けるにも、売るか残すかを決めるにも、市場でいくらで売れるかを示す査定の価格が判断の土台になります。

本記事では、相続した不動産の査定を、査定が必要になる場面から、評価額との違い、査定の方法と依頼の流れ、必要書類、査定額を使った遺産分割の方法、注意点まで、不動産の売却と買取を扱う不動産会社の視点で順を追ってお伝えします。

相続した不動産の査定が必要になる場面

相続した不動産の査定が必要になるのは、相続人の間で分け方を決めるとき、売るか残すかを判断するとき、相続税の負担と納税の方法を考えるときの3つです。

場面査定を使う目的
遺産分割の話し合い不動産を受け取る人と受け取らない人の間で、公平に分ける基準にする
売却か保有かの判断売った場合に手元に残る金額と、持ち続ける費用を比べる
相続税の納税資金の検討不動産を売って納税資金にできるか、いつまでに売れば間に合うかを見積もる

とくに、相続人が複数いて財産の大半が実家という場合は、査定の価格がないと話し合いが進みにくくなります。一人が実家を受け取り、ほかの相続人に代わりのお金を払う場合、その金額の基準になるのが不動産の価格だからです。

査定価格と相続税評価額・固定資産税評価額の違い

不動産の価格には、査定価格のほかに、公示地価、相続税評価額(路線価)、固定資産税評価額があり、目的と水準が違います。

価格決める人目的水準の目安
査定価格不動産会社市場で売れる見込みの価格を示す実際の取引の相場に近い
公示地価国土交通省土地取引の指標毎年1月1日時点の標準地の価格
相続税評価額(路線価)国税庁相続税と贈与税の計算公示地価の8割程度
固定資産税評価額市区町村固定資産税の計算公示地価の7割程度

相続税の申告では、土地は路線価(路線価がない地域は倍率方式)で、建物は固定資産税評価額で評価します。どちらも実際の取引価格より低めに設定されているため、相続税評価額で遺産を分けると、不動産を受け取る人に有利になりやすくなります。

反対に、土地の形がいびつ、道路に接する幅が狭い、建物が古く解体が必要といった条件では、査定価格が相続税評価額を下回ることもあります。どちらの価格を基準に分けるかは、相続人全員で合意して決めます。

相続した不動産の査定方法

不動産会社の査定には、物件の情報だけで価格を出す机上査定と、現地を確認する訪問査定の2つがあります。

方法内容向いている場面
机上査定所在地や面積、築年数と近隣の成約事例から価格を出す遺産分割の話し合いの前に、おおよその価格を知りたい
訪問査定建物の状態、日当たり、境界、周辺環境を現地で確認して価格を出す売却を具体的に考えている、建物の傷みが気になる

不動産会社は、主に近隣の取引事例と比べる取引事例比較法で価格を出し、戸建ての建物部分は再び建てた場合の費用から古くなった分を差し引く原価法も使います。相続した実家は長く空き家になっていることがあり、配管や屋根の傷みは外から見ただけではわかりません。売却を考えるなら、訪問査定で建物の状態まで見てもらうと価格の根拠がはっきりします。

遺産分割で相続人の意見が対立している場合や、家庭裁判所の調停、税務署への説明で客観的な価格が必要な場合は、不動産鑑定士に鑑定評価を依頼する方法があります。鑑定評価は法律に基づく価格として扱われますが、費用は数十万円程度かかるのが一般的です。

相続した不動産の査定を依頼する流れ

相続した不動産の査定は、相続登記の前でも依頼できます。依頼から結果が出るまでの流れは次のとおりです。

  1. 不動産の情報をそろえる:所在地、面積、築年数がわかる書類を集めます。
  2. 相続人の間で査定を受けることを共有する:誰が窓口になるかを決め、ほかの相続人にも伝えます。
  3. 不動産会社に依頼する:2〜3社に机上査定か訪問査定を依頼します。
  4. 訪問査定に立ち会う:鍵を開け、建物の不具合や修繕の履歴を伝えます。
  5. 査定結果を受け取り比べる:価格と根拠、売れるまでの期間の見込みを相続人で共有します。

査定は相続人の一人からでも依頼できます。ただし、売却するには相続人全員の合意と、相続登記による名義変更が必要です。査定の結果を一人で抱えず、相続人全員に同じ資料を共有しておくと、分け方の話し合いで不信感が生まれにくくなります。

相続した不動産の査定に必要な書類

査定の段階で用意しておくとよい書類は、次のとおりです。

  • 登記事項証明書:所有者、面積、権利関係を確認する
  • 固定資産税の課税明細書:評価額と面積を確認する。納税通知書に同封されている
  • 測量図や境界確認書:土地の面積と境界がわかる
  • 建物の図面や建築確認済証:間取りと建てた時期、建築の手続きがわかる
  • 購入時の売買契約書:売却したときの譲渡所得の計算で取得費を証明する

親の家を片付けるときは、購入時の売買契約書やリフォームの領収書を捨てないように注意しましょう。購入時の契約書がないと、売却したときに売却価格の5%を取得費とみなす計算になり、税金が増えることがあります。

査定額を使った遺産分割の4つの方法

相続した不動産の分け方には、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割の4つがあります。査定額は、どの方法を選ぶかの判断と、分ける金額の基準に使います。

方法内容査定額の使い方
現物分割不動産をそのまま相続人の一人が受け取る、土地を分筆して分けるほかの財産との釣り合いを確かめる
代償分割一人が不動産を受け取り、ほかの相続人にお金を払う払うお金の金額を決める基準にする
換価分割不動産を売って、売却代金を分ける売却代金の見込みと手取りを試算する
共有分割相続人の共有名義にする持ち分の価値の目安を知る

共有分割は手続きが簡単に見えますが、後で売るときに共有者全員の同意が必要になり、共有者が亡くなるとさらに相続人が増えます。住む人がいない実家であれば、換価分割を選ぶ方が、相続人の間で分けやすく、維持の費用もかからないと見ています。

代償分割では、不動産を受け取る人に、ほかの相続人に払うお金を用意できるかが問題になります。査定額が高く出るほど払う金額も増えるため、査定の価格と、売却する場合の手取りの両方を見て判断しましょう。

相続した不動産の査定を受けるときの注意点

相続した不動産の査定では、査定額をそのまま売却価格だと受け取らないことと、手続きの期限から逆算して動くことが大切です。

査定額は売れる金額の保証ではない

査定額は、その価格なら一定の期間で売れる見込みを示したもので、売却価格を約束するものではありません。売り出した後の反響によって、価格を見直すこともあります。遺産分割で代償金を決めるときは、査定額で決めるか、実際の売却価格で精算するかを、相続人の間で取り決めておくと後で揉めにくくなります。

複数の会社の査定額に開きがあるときは、高い方を採用するのではなく、根拠になった成約事例と、建物の状態の評価を比べます。

相続の期限から逆算する

相続した不動産には、いくつかの期限があります。査定はこれらの期限より前に済ませておくと、判断に時間をかけられます。

手続き期限
相続放棄相続の開始を知った日から3か月以内
相続税の申告と納付相続の開始を知った日の翌日から10か月以内
相続登記不動産を相続したと知った日から3年以内(2024年4月から義務)
相続空き家の3,000万円特別控除相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却(2027年12月31日までの売却が対象)
取得費加算の特例相続税の申告期限から3年以内に売却

相続放棄を検討している間は、相続した不動産を売ったり、家財を処分したりすると、相続を承認したとみなされることがあります。査定を受けて価値を確かめることはできますが、放棄するかどうかを決めるまでは売却や処分の手続きを進めないようにしましょう。

遠方の不動産は管理と査定を同時に考える

相続した不動産が遠方にある場合、査定のたびに現地へ行くのは負担になります。鍵の受け渡しや立ち会いを地元の親族や不動産会社に頼めるかを確かめ、空き家の換気や通水などの管理とあわせて段取りを決めると、時間と交通費を抑えられます。

尼崎市・伊丹市の相続不動産の査定はStellaにご相談ください

Stella 株式会社は、尼崎市・伊丹市を中心に不動産の買取・仲介・売買を行っている不動産会社です。相続した不動産の査定では、近隣の成約事例をもとにした価格の目安とあわせて、仲介で売る場合と買取の場合の違いもご説明しています。相続人の間で共有しやすいよう、価格の根拠をお伝えします。

相続した実家は、長く空き家になって建物が傷んでいることがあります。親会社の株式会社小畑工務店の水回り工事やリフォームの知見を生かし、目に見えない配管や給排水設備の状態も踏まえて、そのまま売るか、手を入れるかを一緒に検討します。古い家や傷んだ家も、修繕して販売することを前提に買取を検討できますが、実際の可否や価格は物件ごとに確認のうえご案内します。相続登記や相続税の手続きは、司法書士や税理士への相談もご案内します。

相続人の間で分け方を話し合う前の段階でも、売った場合と持ち続けた場合の違いを、価格の根拠とあわせて確認します。

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相続した不動産の査定に関するよくある質問

相続登記の前でも査定はできる?

相続登記の前でも査定はできます。査定は不動産の価値を調べるもので、名義の変更は必要ありません。ただし、売却の契約と引き渡しには相続登記が必要なため、売ると決めたら査定と並行して登記の準備を始めましょう。

相続した不動産の査定に費用はかかる?

不動産会社の査定は、売却の相談の一環として行われることが多くあります。不動産鑑定士の鑑定評価は、鑑定報酬として数十万円程度の費用がかかります。相続税の申告に使う評価額は、税理士に依頼する場合は申告の報酬に含まれるのが一般的です。

相続人の一人が査定額に納得しない場合は?

相続人の一人が査定額に納得しない場合は、複数の不動産会社の査定を取り、根拠を並べて比べる方法があります。それでも合意できない場合は、不動産鑑定士の鑑定評価を使うか、不動産を売却して代金を分ける換価分割を検討します。話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所の遺産分割調停を利用できます。

相続した不動産の査定はいつ受けるのがよい?

相続した不動産の査定は、遺産分割の話し合いを始める前に受けておくのが目安です。相続税の申告が必要な場合は、申告期限の10か月から逆算し、売却して納税資金にするかを判断できるよう、早めに価格を把握しておきましょう。

まとめ|相続不動産は査定価格で判断する

相続した不動産の査定は、遺産分割の基準、売るか残すかの判断、相続税の納税資金の見積もりに使います。相続税評価額や固定資産税評価額は税金の計算のための価格で、実際に売れる価格を知るには、成約事例と物件の状態をもとにした査定が必要です。

尼崎市・伊丹市で相続した不動産の売却を支援してきたStellaとしてお伝えしたいのは、相続人の全員が同じ査定の資料を見て話し合うことの大切さです。期限から逆算して早めに価格を把握しておけば、分け方も売り方も、相続人が納得したうえで決めやすくなります。

Stella 株式会社へのご相談

相続した不動産の査定、売却するか持ち続けるかの判断、仲介と買取の違いなど、状況を伺いながら一緒に整理します。まだ売るかどうかを決めていない段階でもお問い合わせいただけます。

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